会報 第9号(令和2年9月発行)

 新型コロナウイルス感染防止の継続的な対策が講じられているなか、まだまだ厳しい暑い日が続きます、町民の皆様には体調の維持管理にくれぐれもご留意ください。7月29日(水)中日新聞なごや東版に「尾張東部自治体コロナ対策費用を調査」(下表参照)の掲載がありました。会報第8号で取り上げた「本町財政運営に黄色信号!」を再度取り上げて欲しいとのご意見や、コロナ対策等についてのご質問を頂きましたので、情報公開請求で関連文書を入手するなどしてお知らせします。

新型コロナウイルス対策関連財政状況

1.コロナ対策費と財政調整基金(貯金残高)の状況は。

 東郷町は他自治体に比べコロナ対策費も財政調整基金(貯金残高)も極端に少ない。コロナ対策費に1億1,900万円使い、財政調整基金(貯金残高)は令和2年3月末11億2,900万円が、6月末4億2,400万円に、7億500万円減った。その他5億8,600万円は何に使ったのか。
 起債(借金)は2年間で11億5,400万円増え、ついに起債(借金)残高が100億円を超えた。

 コロナ禍の影響により財政運営は厳しさを増していくと予想される。限られた財源(税金)は将来を見込みつつ有効的に活用されるよう、町議会には慎重なる審議をお願いしたいものである。

2.東郷町施設サービス(株)その後の対応は。

  1. 新取締役人事は、町議会が「町民から出された新取締役選任の撤回を求める請願」を採択したにもかかわらず無視して強行実施した。採択を無視された町議会の抗議の動きは見えない。結果、役員8名のうち5名が商工会関係者という、公平性を欠く新経営体制となってしまった。
  2. 5月29日の取締役会で、それまでの小野田実社長は、週1回出勤の平取締役(報酬月額5万円)に降格となった。新社長は、元役場総務部長・元商工会事務局長 近藤賢治氏が就任した。
  3. 6月10日町長は、町民から提出されていた「新取締役4名の選任撤回を求める要望」の署名者621名は「強制されたのではないか」と社員に対して「事実確認調査」を行った。これは不当な思想調査ではないか。
  4. 新たに、元役場教育部長 磯村元彦氏が総務部長に採用された。

 コロナ禍の影響により事業縮小から社員のリストラが心配される。その時、先の「事実確認調査」が不当な差別にならないか、と社員から心配する声が聞かれる。新経営体制による具体的な新規事業が見当たらないなか、健康づくりなど町民のニーズに応えた経営が出来るか、また、会社が私物化されないか注視していきます。

3.東郷町のコロナ対策の中で、理解できないものがあるので教えて欲しい。

1. 名進研ホールディング(株)に学習支援動画作成委託業務を発注

事業費:188万円

 4月27日に「学校教育上の諸課題の解決と地域における教育の充実に寄与する」という目的で、東郷町と名進研ホールディング(株)の相互連携に関する協定を締結した。また、4月30日に同社と特命随意契約した学習支援動画作成委託業務では、科目(数学・英語)と教科書が契約書の仕様書に明記されていた。その後、執行伺いから発注まで一日で処理した契約があり、まさにドタバタ劇である。

 これらは福祉部子育て応援課が起案し、いずれも教育委員会への合議(協議)がなかった。町長が科目と教科書を決定し学習支援を実施するのは、行政の教育への介入で教育の独立性が危うい。また、名進研と相互連携協定を結んだからといって、学習支援動画作成委託業務を特命で随意契約とした理由になるのだろうか。県内外に学習支援業者は多数あり、業者選定を随意契約とした適用理由や契約価格の妥当性に疑念が残る。

2. 75歳以上にマスク1人50枚配布が、74歳にも配布されたのは。

事業費:(総額)1,235万円

 国連の世界保健機関(WHO)の定義では、65歳以上を高齢者としている。また、新型コロナウイルスは、特に高齢者や基礎疾患のある方では重症化するリスクが高いことも報告されている。なぜマスク配布なのか、なぜ75歳以上を選択したのか。
 5月7日執行伺いに「令和2年4月30日現在、満75歳以上の高齢者(除く介護福祉施設及び和合病院)にマスクを配付する」とあった。5月22日の追加執行伺いに「今年度満75歳を迎える高齢者に拡大する」とあった。

 町議会の答弁で、現在のところ未実施である町長公約の「高齢者に優しく 初診医療費無料化」に代えて「75歳以上の高齢者へのマスク配布事業」を行ったことが明らかになった。今後も研究するとした町長公約の対象年齢はどうするのか聞いてみたい。

3. 今年生まれた子にも図書カード配布(1,000円券)は何のため。

事業費:700万円(別途郵送料あり)

 5月13日執行伺いの理由に「新型コロナウイル感染症拡大防止のため、自宅で過ごす日が続く子ども達(平成17年4月2日~令和2年5月31生まれ)の自宅学習や読書活動を支援するため」とあった。

 0歳~5歳児への配布が自宅学習の支援になるのか。これも福祉部子育て応援課が所管していた。配布の理由からすれば教育委員会の所管と思われるが合議(協議)の形跡がない。コロナ対策と言えば、こうした事業も認められるのか。この経費も税金から支払われたのである。

4. 普通授業期間に熱中症対策で児童生徒に飲料水を配布は。

事業費:272万円(別途レンタカー代あり)

 6月9日執行伺いに「6月1日から小中学校で普通授業が再開、6月3日以降給食の提供が開始された。新型コロナウイルス感染症拡大防止への対策と熱中症の対策として、現在工事中の小中学校特別教室エアコン設置工事の進捗状況を見ながら、児童生徒に1日1本のペットボトル500mlを配布する」とあった。また、ペットボトル購入伺いでは、見積書と契約書の住所が違うもの、同じ600mlで、A薬局1本83.7円と1本86.3円、B薬局1本95円と違う単価で買っていた。

 小中学校特別教室エアコン設置工事の完了日の設定が間違っていたのか。どこかの学校で工事遅延になるような出来事があったのか。熱中症の対策を理由に、普通授業のこの時期(6/12~6/19)に、なぜペットボトルを配布したのか。また、緊急事業で対応業者が限られるという理由から、個々に1社見積りで延べ2社と随意契約をしていた。競争なくコスト意識に欠けていないか。ちなみに常滑市は、小学校夏季登校期間(7/21~8/7、8/21~8/31)に熱中症の対策として全小学生に麦茶(ペットボトル500ml)を配布した。

編集後記

 東郷町施設サービス(株)の前社長であった小野田実 氏が、5月29日の取締役会で代表取締役(年報酬840万円~940万円)を解職され、平取締役(年報酬60万円)に降格となった。今後生活していくため、8月31日をもって取締役を自ら辞任した。
 同氏は、4代目社長の(故)加藤統 氏の指導のもと、5代目社長として「カイゼン」「業務内製化」「新規事業」をすすめ、町が同社に支払う町民会館などの指定管理料(税金)を累積で3億円減らしたとともに、指定管理料(税金)以外の自主事業展開による収益事業の拡大に取り組み、平成30年度決算で7,700万円の利益剰余金を確保した。いまコロナ禍で大変厳しい中、この利益剰余金によって社員の雇用が維持できたのである。現在の東郷町施設サービス(株)を育てた小野田実 氏が去るのは誠に残念である。(元取締役 加藤浩)
 経営状況は東郷町施設サービス(株)HPでご覧になれます。

 地球温暖化対策として恒例となっていた、役場本庁舎の「緑のカーテン」が今年度取り止めになった。また、役場玄関前の花壇整備や樹木の剪定が行き届いていない。来年度の予算編成は、相当厳しいものになると考えるが、 これらはその表れなのだろうか・・・。

イーストプラザいこまい館の緑化
令和2年度 いこまい館「緑のカーテン」

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