会報 第8号(令和2年6月発行)

 5月14日、愛知県は「新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言」が解除されました。気を緩めることなく、密集、密接、密閉を避けましょう。いま最前線で未知のウイルスに立ち向かっている医療従事者の方々を感謝の気持ちで応援しましょう。非常事態の最中、予算議会といわれる3月町議会が開催され、12名による一般質問の質疑が一日で行われました。夜遅くまで答弁された職員の皆さん大変お疲れさまでした。令和2年度当初予算も明らかになり、会報第7号以降に特に目に付いた事柄を町民の皆様にお知らせします。

令和2年度当初予算 借金(町債)が大幅増額 財政運営に黄色信号!

 3月町議会において、令和2年度当初予算一般会計128億1500万円、特別会計66億7800万円が賛成多数で可決された。当初予算では「子育て世代」など56の重点事業が計画されていた。一方、借金(町債)は8億2100万円の借り入れ(発行)となっているが、増収策が見当たらない。

 次表のとおり、過去8年間で7億100万円(1年間当たり8700万円)の借金(町債)に対し、町長就任後2年間で11億5400万円(1年間当たり5億7700万円)の借金(町債)をした。増収策のない借金は、子ども達にツケを払わせる無責任なことになる。

愛知郡東郷町町債残高(元金)の推移

多額の借金を基にした「あれもこれも」の予算編成でなく、いま何を優先して町民の皆様に行政サービスを提供すべきか、身の丈に合った財政運営が必要である。

令和2年度当初予算の二つの大きな疑問

(1) どこにいった、小中学校の学校施設整備(長寿命化改修、大規模改修、トイレ改修)

 平成30年3月、学校施設・設備の更新・改修および維持保全の中長期的な計画の策定により財政負担の縮減・平準化を図りながら、安全・安心な教育環境を継続的に確保することを目的とした「東郷町学校施設長寿命化計画」が策定された。

次表のとおり、令和2年度から「長寿命化改修」「大規模改修」「トイレ改修」を計画的に進めるとあるのに、関連する予算が全く計上されていない。計上されているのは、施設修繕工事費600万円程度のみである!

 特に生徒が望んでいるトイレの洋式化。休憩時間に洋式トイレがある校舎に行き、並んでいるうちに休憩時間が無くなりガマンする生徒もいるという。生徒の良好な学校生活を確保するため、学校施設長寿命化計画に基づく学校の施設整備が強く望まれる。

(2) 不公平な、新規事業の保育園英語活動

 新規に、外国人講師2名がそれぞれ町立5保育園において、週2回英語活動を実施するとして1146万円の予算が計上された。
 町立5保育園に限られるため、「東郷あやめ保育園」「東郷西部保育園」「若葉保育園」に通園するお子様は、この英語活動は受けられません。令和5年開園予定の民間「(仮称)新和合保育園」も受けられません!

 同じ町内の保育園に通う親御さんの税負担の公平性を考えれば、実に不公平で配慮に欠けた制度設計である。また、町内外の幼稚園に通園する園児(約500名)についても対象外です。

無視された町議会の議決、町議会は無力か!

 昨年11月住民1名が町議会議長に提出した「東郷町施設サービス(株)新取締役選任の撤回を強く求める請願書」が、2月臨時議会において採択の議決をした。また、昨年12月住民2名が621名の署名簿を添えて、町長・町議会議長に「東郷町施設サービス(株)新取締役の選任撤回を強く求める要望書」を提出した。
 それにもかわらず、町長は町議会と協議をすることなく、臨時議会の議決わずか2日後、記者会見で「東郷町施設サービス(株)新取締役(4名)の選任は撤回しない」と表明した。

 町議会の議決が無視された重大事なのに、町議会が町長に抗議した気配は感じられないうえ、請願者・撤回を求めた住民に十分な説明がありません。本町の議会制民主主義は、どうなってしまったのだろうか。

東郷町施設サービス(株)は、いったいどうなってしまうのか

 上記の通り、町長は記者会見で「東郷町施設サービス(株)新取締役(4名)の選任は撤回しない」と表明した、その後4名は東郷町施設サービス(株)の取締役に就任した。
 その目的は何か。株主(町長)としていったい何をしたいのか。自身の意にそぐわない小野田社長・巣立取締役をクビにし、会社経営の全く経験のないK取締役を就任させたいのか

 そもそも資本金1000万円の会社(東郷町施設サービス(株))で、8名の取締役が必要なのでしょうか。東郷町施設サービス(株)を変革したいなら、他市町の例にあるように、町長自ら社長に就くなり、副町長を取締役に就かせれば良い。

3月町議会一般質問で「東郷町施設サービス(株)社内で署名強要」。町長は「調査」すると答弁!

 上記の通り、住民621名が町長・町議会議長に提出した「東郷町施設サービス(株)新取締役の選任撤回を強く求める要望書」に関連し、町は、匿名で「強要された」「施設の利用者に対して署名依頼をしていた」という報告を受け取ったとのこと。
 すでに1月23日、東郷町施設サービス(株)あてに副町長名で「要望書に関する事実確認の調査について(依頼)」の文書が送られていた。

 いったい誰の指示で、このような調査が行われるのか。行き過ぎた依頼があったとしても、署名する署名しないは、個人の自由であり権利である。それを公共団体が株式会社に事実確認の調査を依頼するのは大問題である。この調査によって、東郷町施設サービス(株)社員のみならず署名に賛同した住民621名の思想・信条の自由を決して侵してはならない(判例ではこれらの調査行為は違法とされている)。

その他一般質問 山田達郎議員の質疑応答から

(1) 農業の現状と支援について

 本町農業の基本データについて質問した。なんと答弁は、「平成27年の農林業センサスの数字しかない」とのこと。日ごろ農業支援をよく発信するのに、現状の把握すら出来ておらず本気度が見えない。  また、給食での食材使用を支援する話についても、本町における各野菜の生産量も把握されていない。更に有機野菜使用というものの、本町の生産者はたった一人で、必要量を供給できる現状になく絵空事です。

(2) 施政方針で触れられていないが「財政は大丈夫か」

 施政方針を精読しても枝葉末節の細かな施策ばかりで、最も重要な財政計画、特に増収策について全く触れていない。また、キャッチフレーズの「やっぱり住むなら東郷町」は、誰に対しての発信か分からないうえ、まちの将来像が示されておらず、これで施政方針として如何なものか。

(1)及び(2)については、6月町議会で再質問するとのことです。皆さん傍聴に出かけませんか!?

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