会報 第10号(令和3年1月発行)

 新年おめでとうございます。さて昨年は、流行語大賞に「3密」が選ばれたように、世界が新型コロナウイルスに振り回されましたが、年が明けてもおさまる気配がありません。コロナ禍は感染対応や経済的な損失も計り知れず多くの企業は相次いで減収減益を発表しています。本町も税収減で厳しい財政状況になると見込まれます。本年も私たちの暮らしに かかわる大切な「まちの出来事」をお知らせしてまいります。

熱心に議論された令和2年9月町議会

 議会は、行政と車の両輪であると例えられますが、行政をチェックすることも重要な役割だとされています。地方議会では、首長提案の99%が原案そのまま可決という状況にある中、令和2年9月町議会においては、次のような結果(認定)となりました。

1. 令和元年度一般会計決算 → 不認定とした(否決)

 井俣町長が初めて予算編成し執行した令和元年度一般会計(歳入133億4600万円、歳出127億9900万円)の決算認定が、賛成7名・反対8名により東郷町議会における初の不認定となった。9月26日(土)中日新聞なごや東版に、本会議で決算特別委員長が「町議会への説明を軽視し、計画性を欠いた町政運営は認められない」と報告した、との掲載があった。
 町長は、この不認定に対して ①町民会館の絞緞帳の撤去工事、②高齢者タクシ-料金助成事業の検証効果、③米を新たな特産品として開発、④人事異動、について措置を講じた旨、11月27日町議会に報告した。
 注:検索「令和元年度東郷町一般会計歳入歳出決算の不認定に係る措置について」

2. 令和2年度一般会計補正予算(第4号) → 減額修正して可決

 コロナ禍の影響によりプラスチック製容器包装の廃棄が増加傾向にもかかわらず、町は1か月半以上「資源回収ステーション」を閉鎖した。急遽8月・9月にプラスチック製容器包装の臨時収集を行った。更に、10月1日から来年3月31日まで計画収集を行うとした補正予算724万円の原案から、同費用を削除する減額修正案を可決した。

本会意見:長期間「資源回収ステーション」を閉鎖したのは行政の判断ミスである。計画収集の提案によって責任転嫁している。まず、区・自治会、子ども会、PTAなどに協力いただいている「集団資源回収」の対象品目に、プラスチック製容器包装をなぜ加えないのか、計画性が無さすぎる。

3. 令和2年度一般会計補正予算(第5号) → 減額修正して可決

 新型コロナウイルスに関する誹謗中傷や風評被害などを受けた町民が希望する場合、弁護士を紹介して5万円を上限に相談料を負担し、ネットの書き込みの削除依頼などに係る費用10分の9を、1人当たり100万円を上限に町が補助するとした補正予算116万円の原案を、同費用を削除する減額修正案を可決した。

本会意見:総務省では、「発信者情報開示の在り方に関する研究会」を立ち上げ、インターネット上の誹謗中傷対策の議論を行っており、今後の動きに注視する必要がある。なお、インターネット上の誹謗中傷に関する相談窓口としては、違法・有害情報相談センター、誹謗中傷ホットライン、法務省人権擁護局(人権侵害に関する相談)等があり、町民の皆様への周知啓発が第一である。町レベルで対応する案件でなく、民事の争いに行政が積極的にかかわることには賛成できない。

注:上記1~3の詳細は、町HP(議会だより137号)よりPDFにてご覧になれます。

令和3年度当初予算編成で注目すべき事業

 道路整備、公園築造、公共施設の新設・改修などの事業は、時間的にも財政的にも単年度で終えることは出来ないことから、長期計画を立てて継続的に進め完工しなければ、初年度投資が無駄になります。ゆえに計画の無視や無計画での事業着手は避けなければなりません。特に国・県の補助の見通しが重要で、令和3年度予算では下表の事業継続が注目されます。

令和2年度事業名 令和2年度予算計上の着眼点
上城保育園跡地公園築造設計 町単独予算867万9千円 地方交付税に算定される都市計画公園に位置付けると共に、公園築造工事費に掛かる国県補助金の確保の見通しはあるか。
上鏡田公園築造設計 町単独予算1477万3千円 都市計画公園であるが、公園築造工事費に掛かる国県補助金の確保の見通しはあるか。
(仮称)新和合保育園整備事業 町単独予算143万5千円 令和元年度の建替計画が令和5年度の開所に見直された。確実な完成が望まれる中、準備作業2年目の進捗状況は。
東郷・三好線整備事業 町単独予算4005万8千円 令和2年度で道路設計が終了する。都市計画道路であり道路整備に当たり国県補助金の確保の見通しはあるか。
<既存計画無視>
小学校維持管理事業工事 町単独予算600万円 中学校維持管理事業工事 町単独予算600万円
令和2年度は、学校施設長寿命化計画に基づく諸輪小南校舎長寿命化改修2億5900万円、給食センター大規模改修8400万円、諸輪小南校舎トイレ改修7100万円、春木台小部位修繕(エレベーター)2800万円はゼロベースであった。予算に計上されたのは、左記の通り小学校・中学校それぞれ600万円のみであった。これ以上学校施設整備の遅延は許されない。施工に当たり国県交付金を確保できるか。
<施設計画変更>
(旧)老人憩の家解体工事  令和2年度予算計上なし
昨年度町老人クラブ連合会は、旧諸輪保育園の跡地を老人福祉施設へ転用し利用しないとの結論を出した。既に施設・管理の条例は廃止された(旧)老人憩の家を放置せず方向性を示すべき。

礎の会に寄せられた意見

ららぽーと愛知東郷 バスターミナル
ららぽーと愛知東郷 バスターミナル
  • 意見:
    令和2年9月14日にららぽーと愛知東郷がオープンした。立派なバスターミナルが出来たのに、じゅんかい君や名鉄バスの乗入れがなく遺憾だ。町は、当初は交通渋滞が起きるから乗入れは令和3年4月にしたと説明するが理由になっていない。もともと令和2年9月のオ-プンに間に合わせる方針ではなかったのか。三井不動産(株)(ららぽーと愛知東郷)との調整・信頼関係は大丈夫か。
  • 意見:
    ららぽーと愛知東郷に「まちの窓口」してLivR TOGO(リーブル トウゴウ)があるが、行政サービスの提供だけでは物足りない。まちの情報発信の拠点として「ふるさと納税返礼品」や商工会「愛2(あいあい)ブランド」の地元特産品を置くべきではないか。
  • 意見:
    「暮らし・子育てエールチケット(年齢に応じて2,500円又は1,500円)の配布があったが、なぜプレミアム商品券にしなかったのか。GoToイートや名古屋市観光クーポン「シャチ割」のノウハウを参考にすれば商品券交換時の3密は避けられる。近隣では「にっしんプレミアム商品券(20%)」、「豊明市プレミアム付食事券(100%)」、「みよし市/市政施行10周年記念プレミアム商品券(30%)」を発行している。 注:( )内はプレミアム率
    例えば、本町予算額8603万1000円を原資にプレミアム率30%で、東郷町/町政施行50周年記念と称して、1冊当たり13,000円のプレミアム商品券を10,000円で発行すれば、予算額の4.3倍、つまり3億7,000万円という大きな経済効果(町内消費)が可能となったのに、まったく創意工夫がなく残念だ。

訂正
会報第9号「編集後記」の文中、「東郷町施設サービス(株) 小野田実 氏(満57歳)が、8月31日をもって取締役を自ら辞任した」とあるのは、「5月29日の取締役会で代表取締役(年報酬840万円~940万円)を解職され、平取締役(年報酬60万円)に降格となった。今後生活していくため、8月31日をもって取締役を自ら辞任した」とのことでした。訂正しお詫びします。

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